
連載:牧田幸裕氏に聞く その9「自分ブランドの育成法」

大手都市銀行に勤めています。希望していた投資関連の部門にはいけず支店で地場中堅企業への融資他営業をしています。転職も考えていますが、自分ブランドを構築するためにプラスに働くのでしょうか。(都市銀行 23歳)
答えは、ご自身が自分ブランドをどう構築するかにより、プラスにも働きマイナスにもなるということです。
まず自分ブランドとは何かを考えてみましょう。自分ブランドには、「現在の価値」と「履歴の価値」があります。
「現在の価値」とは、自分が今どういうスキルを持っているのかということ。中小企業への融資判断スキルが高く、焦げ付き率が5%以下であるといったようなスキルが挙げられます。または、独自の優良顧客発見スキルがあり、中小企業であっても成長性の高い融資し甲斐のある顧客を数多く持っているなどです。
「履歴の価値」とは、自分がこれまでにどういうキャリアを形成してきたかということです。コンサルタントでいえば外資系コンサルティング会社複数社で、中期経営計画策定支援の経験もあれば、計画実行支援の経験もあり、プランニングから実行、効果検証までできるなどといったキャリアの蓄積が価値となります。
転職活動を成功させるためには、このような価値が買い手である「転職先」にどう評価されるかを考えなければなりません。
投資銀行(部門)を転職先として希望されているようですが、投資銀行での業務で必要となるスキルを持っているのかということと、他者よりも優位なスキルを持っているかどうかという2点で自分ブランドを判断する必要があります。
まず「現在の価値」で考えた場合、中小企業への融資判断スキルが投資判断にどう活かせるのか、すでに投資業務を行っている将来の同僚と比較して、自分は何が優れているのかを説明できる必要があります。
例えば、将来の同僚の投資業務の多くが大型案件に偏っている場合、自分であれば小型だが将来性の高いベンチャー案件を精度を高くして成立させられるなどといった説明ができるかです。もし、それが説明できないのであれば「現在の価値」は足りないということになります。だから、今は自分自身が身につけるべきスキルを明らかにし習得すべきで、まだ転職のタイミングではないということになります。
また「履歴の価値」を考えた場合も、入社1年目では無価値に等しい状態です。したがって、自分自身の履歴をどう形成し、どのようなスキルを蓄積するのかを今から考える必要があります。
このように考えていくと、現段階はスキル蓄積の段階であり、転職活動をすべき段階ではない可能性が高いといえます。
ブランドを構築するには、顧客である「転職先」が、この人は他の応募者とは違うなぁ!と「有意差」を感じられる状態を作り上げなければなりません。ご自身でスキルを蓄積していても、他の応募者もそのスキルを持っていれば、顧客は「どちらも優秀だ!でも、どちらを採ればよいのか判断がつかない」という状態になってしまいます。
スキルを蓄積する際には、他者との比較で「有意差」を作れるものは何なのかを考えてみてください。

