過去問で鍛える地頭力 問題と解答の一部を公開します

弊社代表の大石哲之による新刊「過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題」ですが、より詳しい内容を知ってもらうため、問題と解答の一部を公開します。
6/25日に一般発売予定ですが、それまでに予約でお買い上げいただいた方に対して、特別に、フォローアップサービスとして、戦略ケースセミナーを開催します。書籍をご予約の上、詳しくはこちらからお申し込みください。
ある地方にある水族館がここ半年で客が25%も減ってしまいました。どのような原因が考えられるでしょうか?また対策もあわせて考えてください。
もちろんこの問題の回答として、いきなりアイデアを出すのはダメです。
「イルカを飼う」「巨大なサメを飼う」
という類のものです。
個々の施策を検討する前に、全体をつかんでいくことが大切です。
最初に議論したいポイントは、なぜ「1年間で客が25%も減った」のか?というところです。まず客が減った原因を特定していかなくては、対策を考えたところで的外れになってしまいます。原因の究明にまずはウエイトを置くことです。
さて、水族館の客が減る原因は何が考えられるでしょうか?
では、原因の究明というところで、今回は仮に近くに大きなショッピングモールができたという想定をしていますが、ここだけピックアップして、「原因はショッピングモールに違いない」と決めてかかるのも問題です。
一方、「水族館は時代遅れ」
と決め付けるのも全体感にかけます。
原因に関しても、まずは、全体から議論していくということが大切です。
全体感をつかむには、この問題を、「水族館に来る客の数は何人?」というフェルミ推定の問題に置き換えてみましょう。これは、水族館に来客数と言うのはどのようなパラメーターに分解されうるのか?というのを考えてみるということです。
ロンドンオリンピック(2012年)で日本のメダル数を増やすにはどうすればいいでしょうか?(相手は、日本のオリンピック協会の会長だとしましょう。金だけではなく、銀、銅あわせてメダルの総数を増やすのがゴールです)
あなたが日本のオリンピック協会の会長に依頼されたとしましょう。どういう競技でどんな強化策を打っていくか?というように考えてみます。
まずは、北京オリンピックの成績を振り返っておきましょう。日本の北京オリンピックのメダル数は、金9個、銀6個、銅10個の計25個でした。金メダル9個の内訳を見ると、柔道が男女あわせて実に4つ、女子レスリングで2つ、競泳は2つ(北島選手が一人で2つです)、最後に女子ソフトボールです。かなり競技に偏りがありますね。
2012年のロンドンオリンピックはこれをできるだけ多くするために取り組むとします。金メダルではなく、銀、銅あわせて、メダルの総数を増やすというのがゴールです。
どのように考えますか?
この問題を何名かの人に出したことがあるのですが、理論立った回答ができたひとは一人もいませんでした。多くの方が、自分が注目している(ないしは自分が好きな、自分が詳しい)競技の話を持ち出して、具体的な強化策を語り始めました。
たとえば、
・日本型柔道の限界が見えた。ポイントを取る柔道を取り入れつつ、日本の良いところを、伸ばせば、柔道で全部をメダル取ることも出来る。
・日本の報奨金制度に問題がある。アマチュアスポーツ選手がメダルをとっても具体的に選手としてこれからもやっていけるような土壌があるわけではない。
スポーツ評論家ではないのですから・・・そんな細かいことを言っても仕方がありません。他の作戦としては、
・北京大会で実施が最後となった野球・ソフトボールを復活してもらう
・サッカーは審判が買収しやすい。事前の裏工作で、日本に有利な判定をしてもらう。
いずれも「戦術」レベルの回答が多いのです。
このようなケースの問題で求められているのは、個々の競技にたいしてどうこうするという「戦術」の話ではありません。求められているのは、競技全体を俯瞰して、日本として、どのような「考え方」に基づいて、各競技を支援していくかということです。このような「基本プラン」を立てるにはどういう考え方、アプローチをすべきかということがとわれています。
難しいようにも思いますが、根本に立ち返って考えてみることが重要です。根本とは「なぜメダルが増えるのか?メダルを取るとはどういうことか?」ということに立ち戻って考えて見るということです。メダル数を増やしたいというのですから、まずはどうしてメダルが増えるのか、そのメカニズムを最初に明らかにする必要があります。
羽田空港は一日どのくらいのひとが利用するでしょうか?
この問題にはいくつかのアプローチがあるように思われます。
ひとつは直接的なもので、文字通り羽田空港に来るひとを数えるというもの。つまり交通機関(モノレール、電車、自家用車、バス)といったものから考えるやり方です。
もうひとつは、羽田空港に離発着する飛行機を数えて、総計を羽田の利用者とする考え方です。
どちらがよりよいでしょうか?人によっては、前者のほうが、羽田空港に働きにくる職員や、見送り客などもカウントできるので、よりよいと考える人もいるひともいますが、後者のほうが有利のように思います。
前者のほうは、交通機関は複数の種類があり、もしこの方法で見積もるならば、形態の違う4つのパターン(モノレール、電車、自家用車、バス)を見積もらなくてはいけません。それはあまりに煩雑です。
もうひとつの判断軸は、普遍性がないということです。この問題が、オヘア空港(シカゴ)やヒースロー(ロンドン)であったらばどうでしょうか?
シカゴでは、私は行ったことがあるのでわかりますが、公共交通機関がほとんどなく空港までは車で来ていました。ヒースローは、いったいどうなっているのか想像つきません。つまり交通機関側から直接数える方法は他の空港に応用がきかない、つまり物事の本質を突いていないということになります。
空港に離発着する飛行機を数える方法は、普遍性があります。世界のどの空港であっても飛行機の離発着数というのはいくつかの関数で現すことができるからです。
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