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牧田幸裕のキャリアアップを実現する自分ブランド養成塾

連載:牧田幸裕氏に聞く その8「不況時の採用の進め方」

メーカー取締役(51歳)

不景気の波を受けていますが、これまでの好況でも人材の確保がままならず業容も拡大できなかったことが功を奏し、それほどの大きな影響を受けずにいます。
この先の不況を抜け出した後の飛躍を考えるとこの不況時に
優秀な人材を確保することは弊社の成長戦略に直結すると考えています。
不況時の採用について、どのように進めるべきか教えてください。



不況時の採用は、企業にとって原理原則「お買い得な採用」になります。優秀な人材を割引価格で購入できる可能性が高まるからです。

私がかつて外資系コンサルティング会社で採用を担当していたときには、以下のような考え方を持っていました。
「採用人材のアウトプット(期待収益)」×「戦力年数」≧採用人材への総支払コスト=(年収+社会保障関連コスト)×採用年数
を確保できるような採用をできる限り行おう、と。

不況時には企業の業績悪化や倒産などで、多くの人材が転職市場へ流入します。もちろんリストラの憂き目にあった人材も多く、期待収益が高くない人材も多いかもしれません。しかし、その一方で期待収益が高い人材の中にも、現在勤めている企業の将来性に疑問を感じ、次のステップを探し始める人材が出てくる時期でもあります。
そこで、そういう期待収益の高い人材を採用できれば、そういう人材は戦力化も通常早いため、投資に対するリターンが高く、早い時期に投資分を回収できる期待が高まります。

では、どのような方針で採用を進めていったらよいのでしょうか。
私は以下のような方針で不況時の採用を進めてきました。
1、 裾野を広げて、幅広く人材を募集する
2、 幅広く募集するが、採用のハードルは下げず、仮に期待に添わない母集団だった場合、新たに募集をかけることを厭わない

好況時はとにかく猫の手も借りたいくらい忙しく、採用にそれほど時間をかけるわけにはいきません。なので、会って少々話して問題なさそうであれば採用するという安易な採用に走りがちです。採用しなければ、競合企業にどんどん採用されてしまい、自社の人手不足が解消しないという心理的なプレッシャーもあります。
一方、不況時は採用にかける時間も、相対的に多く取ることができます。そこで、いろいろなバックグラウンドを持った人材に募集をかけ、じっくり話を聞くことも可能になります。もちろん限られた面接の時間ですべてが判断できるわけではありませんが、それでも期待収益の高低を判断する材料は増えます。

また不況時には、転職市場に人材が需要より多く供給されるので、機会損失の可能性が低くなります。そのため、一度募集をかけた母集団にこだわることなく、仮に期待に添わない母集団だった場合、再度募集をかけた場合のほうが良質な採用ができる可能性が高まります。

従って、じっくり時間をかけて納得できるまで期待収益の高い人材を探すことをお勧めします。


牧田 幸裕(まきた ゆきひろ)

京都大学経済学部卒業、京都大学大学院経済学研究科修了。
信州大学 経営大学院 准教授(MBA)
アクセンチュア、ICGなど外資系コンサルティング会社のディレクター、
ヴァイスプレジデントを経て、IBMビジネスコンサルティングへ移籍。
インダストリアル事業本部クライアント・パートナーに就任。
2006年より信州大学 経営大学院 助教授。2007年より現職。
製造業(エレクトロニクス・自動車・一般消費財)、流通小売業、官公庁、
学校法人、商社、エンターテイメント、通信業、製薬業など幅広い産業を対象に、2020年ビジョン策定、事業競争戦略策定、新規事業戦略策定、法人営業改革などの戦略策定及び実行支援を手掛けてきた。


2009-05-26 18:37:10
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