
各会社のトップコンサルタントに、各社のコンサルティングの特徴と、入社後経験できるキャリアについて深くお伺いする「トップコンサルタントインタビューシリーズ」。
今回は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 コンサルティング事業本部 東京本部 副本部長の長尾 豊彦氏にお話を伺いました。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、三菱UFJグループのシンクタンクの会社ということもあって、非常に硬いイメージがあると思います。しかしながら、本当の実態を知るという機会はなかなか無かったのではないでしょうか?
三菱UFJグループの一員であるということがどのような強みを持っているのか、
また、どのように評価制度や教育制度をされているのか。
そして、長年人事として働いた長尾豊彦氏から見た「キャリア」や「人事制度」についてお話をお伺いしました。
第二回はこちらの記事になります。
http://www.consultantnavi.com/archives/50389057.html
第1回「人事のプロフェッショナルを目指して人事コンサルに」
-自己紹介をお願いします。
銀行系のシンクタンクというと、銀行員の偉い人がやっているというイメージがありますが、私はそういった経歴ではありません。新卒の時はジャスコ株式会社(現イオン株式会社)に入社しまして、17年間、地方や本社の人事をやっていました。最後に事業部の人事部長を務めた後、転職しました。
転職した当時は三菱UFJリサーチ&コンサルティングではなく、三和総合研究所という名前でした。それから15年間組織人事コンサルティングをやって、今年、全体をみさせていただくような立場になっています。
今でも一部、コンサルティングも行いつつ、少しずつ組織マネジメントの仕事がメインになってきました。
-人事部長の地位につきながら、なぜ転職をされたのでしょうか?
売上5兆円を超える大企業で人事をやっていると、自分がそのあとどういうキャリアになるかというのが大体わかってくるんですね。
人事をやっていた期間が大変長かったので、人事部長をやって、その次の年あたりには中型店の店長に配属されるであろうという予想ができました。中型店の店長をやって、数字が上がれば大型店の店長をやる。それで事業部長をやり、役員となる。というコースがみえたのです。
その時に自分がどうなりたいかという、人生の選択肢みたいなことについて、ゼネラリストとして生きていくのか、プロフェッショナルとして生きていくのか、の2つを考えていました。
それで、自分は17年間人事をやってきた自負があるので、人事の道で生きていたい。ゼネラリストではなく、その道のプロフェッショナルでやっていこう。そう思ったのが転職の最初のきっかけでした。
-人事のプロフェッショナルを目指して、それで、コンサルティング会社へ移られたんですね。
はい。まず、人事をずっとやってきていると、キャリアとしては、他の会社で人事をやるか、それか人事というドメインの中で別の職種を考えるかのどちらかなんですよ。
他社の人事のマネージャーをやるのでは、今までと何も変わらない。人事をやって、結局他の部署を経験して、ゼネラリストとして昇進していく。そうではなくて、人事のプロフェッショナルとして生きていくのは、人事というドメインの中の別の職種である人事コンサルティングの世界なんだろうと思いました。
一つの会社だけではなく、いろいろな業種・業態を含めた会社、経営、従業員のやりがいや働き甲斐を、どのように察して、その企業に対してどういう貢献ができるのか。そんな仕事のやりがいの部分を考えて、コンサルティング業界を選びました。
しかしながら、当時は人材系のコンサルティングを行っている会社はほとんどなかったこともあり、転職については最初はあまり考えてなかったんですね。
そんな中たまたま日経の求人広告に目を通したときに、当時の三和総合研究所が載っていました。
三和総合研究所では従来から人事のグループがひと固まりで何かやっているを知っていたので、受けてみようと思ったんです。
三和総合研究所を選んだ決定的な理由は、色の薄い会社を選ぼうと思ったことです。
組織人事のコンサルティング会社って色が付いているところが多いんですよね。たとえば、グローバルスタンダードの導入スタイルを持つ会社は、持っているパッケージの中に、現場をあてはめなくてはいけない。
また、日系の会社では、今ではだいぶ色が薄くなっていますが、『楠田式』というやり方をもとにしているコンサルティングファームが多かったんですね。
人事を長くやっていたのでそういうのは知っていました。
しかし、私はパッケージや方法論ではなく、答えは企業によって千差万別・個別解だと思うので、そういうことなしに考えられるコンサルティング会社で働きたいと思っていました。
それで、色の薄い会社を選ぼうと思ったんです。
それで、色の付いていない会社はシンクタンク系だと思いまして、当事の三和総合研究所、現在の当社に入社しました。
-入った当時はどのような時代でしたか?
入った当時は、1から10まで自分で作るというような個人コンサルの時代でした。それはそれでよかったんですが、個人コンサルでは、完璧に実行するには業種や大きさなどの限度があり、大きくドメインとして展開することはできないんです。2000年になって、東京に組織人事コンサルタントを集めたり、別途採用をしたりして人数を増やしました。組織人事を一つの事業ドメインとして定着させ、大企業も含めてコンサルティングできるようにやっていこう、チームコンサルへと変えていこうという流れになりました。
それを立ち上げたのが8人くらいですね。今は、東京で22人、全国で60人くらいの体制になってきています。
-実際コンサルとして働かれている方は、どういう出身の方を取られているんですか?
過去と現在で変わっていますけど、当初はコンサルティングファーム出身の方はほとんど採りませんでした。
というのも、パッケージ型とか外資系の出身の方は、コンセプチュアルな部分で、理念系に近いものを進めるのは得意なんですが、日本の企業の中で実際にそれを落とし込もうとしたときの、それぞれの企業ごとのアレンジや、移行措置をとったりするところは苦手な場合が多いんです。
実際に落して、見てみて、不具合をチェックしてみて、というようなソフトランディングの部分が大事なので、バックグランドとしては、大手企業で人事をやっていたって人をとっていました。対して、コンサルティングファーム出身の方は採用していなかったんです。
最近はだいぶ変化してきました。理由は大きく3つあります。
1つ目は、人材育成ができる人。制度構築系の仕事は成果主義が全盛期のころは多かったんですけれども、今は変わって、人材育成が大きなテーマとなっています。教育とか、能力開発とか、人をどうやって育てて戦力化するかがコンサルティング大きなテーマだと思っています。それができる人ですね。
2つ目は、戦略領域とつなげて話ができる人ですね。
例えば、最近は大手の食品メーカーで、ホールディングスを作って、その下に会社を統廃合して、まとめましょう、というときに、グループ経営という観点からグループの人事をどうしていくかとか、または、ホールディングスと各社のガバナンスの利かせ方、割合というところも含めて、戦略と照らし合わせみるとか、そういうようなテーマのコンサルティングというのが増えましたこともあります。
最後に、3つ目。経営戦略と合わせて組織人事戦略が考えられる人間です。
こういうテーマで考えると、単純に人事経験者だけではだめで、経営企画といったセクションも合わせて、わかる人が求められています。
-つまり人事のみじゃなくて、企業経営のスキルも必要だと
そうですね。経営企画の部署にいて、組織政策、人事政策をやったことがある人とかですね。
当社のコンサル事業部は大きく分けると、グループ経営をどういう風に考えていくといった戦略系と、もうひとつはISO・内部統制・ERMを行っているマネジメントシステム系と、組織人事系の3つのドメインがあって、コンサルティング事業本部の200人でやっております。従って、単一のテーマのみではななく、経営の観点からのテーマの結びつきもおおいので、企業経営のスキルが重要になってくるんですね。
結果として他のコンサルファームと比べたら、バックグラウンドとして企業で実務をやっている人は多いと思います。特に組織人事は実務経験者が多いと思います。
- 有難うございました。
>>第二回の記事へ
![]() | 長尾 豊彦 - Toyohiko Nagao - 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 コンサルティング事業本部 東京本部 副本部長 兼 組織人事戦略部長 1954年生まれ、岡山大学を卒業後、ジャスコ株式会社(現イオン株式会社)で17年間事業本部人事課長、本社労務課長、事業本部人事総務部長など人事労務関係の実務を務める。 1994年三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)入社、以来100社以上の組織・人事コンサルティングを手がけている。 2000年、組織人事戦略部設立と同時に部長就任(コンサルティング兼務)。 |



