各会社のトップコンサルタントに、各社のコンサルティングの特徴と、入社後経験できるキャリアについて深くお伺いする「トップコンサルタントインタビューシリーズ」。
今回は、スカイライト コンサルティング株式会社取締役矢野陽一朗様にお話を伺いました。

スカイライト コンサルティングは、コンサルティング事業を核としながら、成功報酬型コンサルティングや社会環境サービスなど、他のファームにはない独自のサービスを提供する自由闊達でユニークなコンサルティングファームです。今回はユニークな社風を支える、プロジェクトアサインメント制度や、評価制度、キャリア・育成制度についてもお聞きすると同時に、矢野氏が中心になって取り組まれている成功報酬型コンサルティング、「起業チャレンジ」、新規事業コンサルティングといった分野についてもお話を伺いました。

第一回はこちらの記事になります。
http://www.consultantnavi.com/archives/50389016.html
第三回はこちらの記事になります。
http://www.consultantnavi.com/archives/50389018.html
第四回はこちらの記事になります。
http://www.consultantnavi.com/archives/50389019.html

第二回「COOとしてベンチャー企業に出向し意思決定も行う。成功報酬型コンサルティングサービスについて」

- 投資事業についてお話をお聞きしたいと思います。

投資事業については、ベンチャー企業をコンサルティング支援する中で生まれてきたものです。
スカイライトの小数精鋭というスタイルだと、小規模のプロジェクトでもお受けすることができます。ベンチャー企業のお客様にもいろいろと支援させていただける機会がありました。
現在の実績としても、13%くらいがベンチャー企業のお客様です。コンサルティング会社の中で、これほど割合をベンチャーに割いている会社はたぶんないだろうと思います。

- ベンチャーとはどういった規模をさしていますか?

いわゆるスタートアップのベンチャーもあります。資本とビジネススキームはあるのだけれども、人がいないというケースです。暫定COOとして意思決定までお願いしますと依頼され、正COOが採用されるまでの3ヶ月間手伝ったプロジェクトなどがあります。
他にも、いろいろなバリエーションがあって、たとえばマーケティングのところが足りないとか、社長の描いた構想やイメージを事業計画まで落とし込んで、プランを具現化するなど。
こういったいわゆるベンチャーのほかに、コーポレートベンチャリングのケースもあります。つまり大手の事業会社において新規事業の立ち上げを支援するというものです。たとえば、私の場合、長いお付き合いをしている総合商社のお客様がいるのですが、海外の新しいテクノロジーを日本に持ってきて事業化しようとしたときに、日本の市場性を検討したりだとか、ジョイントベンチャーのスキームを考えたり、実際立ち上がったあとの実行支援などをやっています。

- 成功報酬型コンサルティングについてお聞かせ願えますか?

ベンチャー企業にとってスカイライトが欠かせないパートナーとなり、ずっとお付き合いしたいという状況が生まれることは多いのですが、コンサルティングフィーを払うというのは、ベンチャー企業にとっては財務的な厳しさがあります。
そんな中で、お互いが長期的にwin-winでいられるモデルとして考えたのが成功報酬型コンサルティングです。

ベンチャー企業に対して、コンサルティングサービスを行う際に、ストックオプションで報酬をいただいたり、第3者割り当て増資を引き受けたりするというものです。
このような形で、対象企業の事業の成功にコミットするスキームです。

これまでに2社投資実績がありまして、1社目が英治出版という、スカイライトと共同で「ウォートン経営戦略シリーズ」を出している会社です。ここに対しては、出資をしたうえ、コンサルタントが1名出向しています。ポジションとしては、COOみたいな感じですね。社員がまだ6名とか7名といったところなのですが、韓国に子会社があります。

もう1社は、スタートトゥデイというECサイトを運営している会社です。ZOZO というアパレルのサイトを運営しています。裏原系といわれる、若い人向けのECサイトなのですが、600くらいブランドを展開しています。
こちらはずっとコンサルティングをさせていただいていて、上場前の増資タイミングでぜひ入れてくださいとお話をいただきました。無事去年12月に上場しまして、投資事業として成功したケースです。

投資事業をやるために投資先を探すということはやっていなくて、我々のコンサルティングのお客様の中で、成長の可能性があって、このスキームを適用できる会社があれば行うというスタンスです。

- もうひとつ「起業チャレンジ」という取り組みもされていますよね。

はい。こちらはシード投資です。
われわれが新規事業に関わっていくうちに、やはり日本のベンチャーを支援する環境は、特にアメリカに比べると見劣りするという思いがありました。日本にはベンチャーキャピタルはありますが、ベンチャーキャピタルに出資している機関投資家が多いわけです。そうすると、リスクをなかなか取れず、どうしても確実に上場できるところという考えになります。
ですから、上場がある程度見えるようなベンチャーでないと投資ができない。立ち上がったばかりのベンチャーにはなかなか出資しづらいのです。アメリカでは、そういう投資をしているベンチャーキャピタリストもいますし、個人で出資するエンジェル投資家がかなりの数います。日本ではそういった人たちがまず少ない。それに加え、エンジェル投資家の大事な役割というのは、単にお金を出すだけではなく、起業家に適切なアドバイスすることです。
起業するビジネスのネタは、テクノロジーであったり、マーケティング、製品サービスといろいろだったりしますが、そういうネタを持っている起業家に対して経営的なアドバイスをするということで、成功の確率を高めるということをやれるエンジェル投資家は日本には多くいません。
しかし、日本の経済が活性化していくためにはベンチャー企業がもっと生まれないといけないという思いがあって、新しい事業の創造を支援していきたいと始めたのが「起業チャレンジ」というシード投資です。
まだビジネスプランしかない起業家や、できてすぐの会社といった、本当のスタートアップに、プランの実効性検証のための資金とコンサルタントによるプランのブラッシュアップで、支援をしていくものです。
起業チャレンジというビジネスプランコンテストを実施して、優秀なプランを持った起業家を募っています。

- 起業チャレンジは今年が2回目になりますね。昨年はどのような成果がありましたか?

昨年は2社に対して投資を実行しました。「株式会社アゲハ」という、女子大生向けバックブランドの会社が1社、もうひとつは、「株式会社Canvas」というシリアスゲームの制作を行う会社です。
賞金は最大300万円です。これを起業資金に当てていただくわけですが、スカイライトの100%の子会社にしてしまったら、起業家の自由も奪い、成長も止めてしまうと思いますから、15%くらいを持分としてやっています。取締役も基本的には派遣せず、起業家の思う存分、好きにやってくださいと。
月に1回ミーティングを行い、アドバイスをしています。
最初の資本が持つのはせいぜい半年〜1年くらいだと思いますから、その間に自分たちのビジネスモデルを検証して何がしか、サービスが出来上がる、売り上げが立つなどを確認し、改めて次の出資、次のラウンドを考えていきましょうという考え方で進めています。

- - 大変興味深いお話ありがとうございました。

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矢野 陽一朗 - Yoichiro yano -

1992年、某大手会計系コンサルティングファームに入社。官公庁、製造業、金融業において、IT戦略立案、システム企画、設計、開発等のプロジェクトに従事。
2000年、有志と共にスカイライトコンサルティングを設立し取締役に就任、現在に至る。
専門はテクノロジー分野の新規事業に関する調査、企画、立案および立ち上げ支援。 情報通信業、金融・保険業、流通業などの分野において、コンサルティング実績多数。
[翻訳書]『ウォートン経営戦略シリーズ プロフェッショナル・アントレプレナー: 成長するビジネスチャンスの探求と事業の創造』英治出版 2005年、
『ウォートン経営戦略シリーズ イノベーション・マネジメント: 成功を持続させる組織の構築』英治出版 2007年)

2008-12-27 15:00:00
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