
連載:牧田幸裕氏に聞く その4「志望動機がうまく伝えられない」
今回の質問(メーカー営業 27歳)
落ちる理由に志望動機が曖昧というフィードバックをもらいました。自分ではやりたいことははっきりしているとかんがえているのですが、どうしたらよいでしょうか?

私は外資系のコンサルティング会社で役員をしていた頃、数多くのコンサルタントを面接し採用してきました。そして、それ以上に多くの応募者を不採用にしてきました。そこで、感じたのが「多くの応募者は志望動機が曖昧だなぁ」ということです。
なので、今回は面接官の視点から、なぜ志望動機が曖昧に感じるのか、お話をしていきましょう。
面接官は、買い手です。買い手は、欲しいスペックがあります。皆さんもそうだと思いますが、PCを買いに行ったり、携帯電話を買いに行くときには、欲しいスペックを明確にしていくはずです。それと同様に、面接官は応募者に求めるスペックがあります。それは法人営業の経験だったり、原理原則で考えられる地頭だったり、プログラミングのスキルだったり、いろいろです。
応募者は売り手です。売り手は、買い手の欲しいものを察知し、それに応えられる商品を提供する必要があります。面接という場でコミュニケーションをとりながら、買い手であり面接官が欲しいものを察知し、自分がそれに応えられる商品だということを説明し、買い手に納得してもらう必要があります。
ところが、往々にして売り手である応募者は、買い手が何を欲しいかなど考えず、自分のしゃべりたいことだけをしゃべっています。どれだけ素晴らしい経験を持っていようと、希少なスキルを持っていようと、買い手の欲しいものでなければ、それは売れません。不採用です。
買い手にしてみれば、「何かいろいろしゃべっているけど、自分の欲しいスペックかどうかわからないんだよなぁ。曖昧だなぁ」と感じるわけです。
志望動機とはいったい何なのか。私は「御社へ入りたい理由」だとは考えていません。そうではなく、「自分がこれまで得てきた経験、蓄積したスキルと、買い手が欲しいスペックが整合することの証明」だと思っています。
多くの応募者が、志望動機を「御社へ入りたい理由」だと勘違いしているので、買い手のことを全然考えず、好き勝手なことを話してしまうわけです。面接官の視点からすれば、「あなたが将来やりたいこと」はどうでもよいことで、興味がありません。面接官が求めるスペックに合うかどうかに興味があるのです。
志望動機が曖昧だというフィードバックを受けた場合には、「自分がこれまで得てきた経験、蓄積したスキルと、買い手が欲しいスペックが整合することの証明」ができていたのか、を再度チェックしてみてください。まだまだ説明できることが出てくるかもしれません。
![]() | 牧田 幸裕(まきた ゆきひろ) 京都大学経済学部卒業、京都大学大学院経済学研究科修了。 信州大学 経営大学院 准教授(MBA) アクセンチュア、ICGなど外資系コンサルティング会社のディレクター、 ヴァイスプレジデントを経て、IBMビジネスコンサルティングへ移籍。 インダストリアル事業本部クライアント・パートナーに就任。 2006年より信州大学 経営大学院 助教授。2007年より現職。 製造業(エレクトロニクス・自動車・一般消費財)、流通小売業、官公庁、 学校法人、商社、エンターテイメント、通信業、製薬業など幅広い産業を対象に、2020年ビジョン策定、事業競争戦略策定、新規事業戦略策定、法人営業改革などの戦略策定及び実行支援を手掛けてきた。 |


