各会社のトップコンサルタントに、ご自身のキャリアとコンサルタント転職について、お伺いする「トップコンサルタントインタビューシリーズ」。
今回は、株式会社コーポレイトディレクション アソシエイトパートナーの倉沢様にお話をお伺いしました。

倉沢様は外資系のSIerを経てコーポレイトディレクションに参画。現在はアソシエイトパートナーとして第一線のコンサルタントとしてご活躍されています。SIerからのご転職時のお話、コンサルタントとしての成長の3つの壁、コーポレイトディレクションの戦略コンサルタントの特徴、キャリアのチャンスについて語っていただきました。

第一回はこちらの記事になります。
http://www.consultantnavi.com/archives/50388956.html
第二回はこちらの記事になります。
http://www.consultantnavi.com/archives/50388957.html

第三回 「全員がマネージャーになってもらいたい」コーポレイトディレクションにおけるキャリアチャンスと戦略コンサルタント育成制度


CDIの意識、理念に共感した人が集まる会社

- CDIにおいては「全員をマネージャーにする」という方針があると聞きました。

新卒で入社する方は、マネージャーまで面倒見るという方針を採っています。

CDIはアップオアアウトという考え方は一切とっていないんです。人によって成長のタイミングがすぐ来る場合と2、3年後に来る場合があると思います。その人の成長が来るまで長い目で待つというのが我々のスタンスなんです。新卒は、ポテンシャルをきっちり見て採っているので、成長させられなければ会社の責任だと思っています。

育成に関しては、5年先を見てマネージャーになるように育成しているつもりです。最終的には一人ひとりが一騎当千のコンサルタントにならないと勤まらないからです。


マネージャーも部下の育成を自分たちの仕事の一つだと強く思っています。部下を育成して、必ずマネージャーにするというのは、チャレンジングです。ですが、これはCDIの文化です。私もそれを踏襲していこうという思いが強いです。

- 社内の育成制度について、もう少し詳しく教えていただけないでしょうか?
新卒の育成は、他ファームにはない「担当パートナー制」というものを取っています。
これは、昨年の例で言うと、当社のパートナーのうち6名がそれぞれ、採用したいと思う新卒の学生を1名づつ選ぶんです。
学生側も、選考の早い段階で6人のパートナーを選べるようになっていて、どのパートナーの採用選考を受けるか選べるんです。

そして、パートナーは自分が採用した学生を責任をもって育てる。こういう仕組みをとっているのはCDIだけです。

- 師匠のパートナーを選んで弟子入りするといった感じですね。師匠は弟子を預かったからには、なんとしても一人前にするという。
そうなんです。コンサルタントの育成は基本的には師弟制度だと思っています。
「誰かが責任を持って育成しなければいけない」というやり方のほうが向いているという考え方が根底にあります。

CDIのキャリアパスでは、最初2年間「主任」というクラスになります。基本的に2年間経つと「副査」というクラスに昇進するのですが、この制度を採るようになってから、2年待たずとも1年半でクラスをあげるような成長の加速が早い人が出てくるようになりました。

理由としては、「選ぶ側も間違った選択はできない」「選ぶ側も真剣」「取られる側もこの人と仕事したいからCDIに入るという思いが強くなる」というところで、1対1の関係が生まれ、お互い共感しあうんだと思います。
学生にとってもこのやり方のほうがいいと思うんですよね。
最初はいい師匠を見つけることが大事だと考えています。最初は理屈よりもイメージが大事なので、自分がついていきたいと思える人を選べるのは大きいと思います。

他のファームにはこのやり方はできません。外資のファームのようにパートナーがすぐ辞めてしまうような会社では師弟制度が成り立ちません。このやり方もCDIだからこそ、パートナーが辞めないからこそできるわけです。

最初の1ヶ月はプロジェクトに入らずに研修に専念

- 中途に関してはどのような仕組みなっていますか?
中途に関しては、メンターというか、どのパートナーの責任で採用したというものはあるのですが、新卒ほどの師弟制度のようなことはやっていません。
中途はある程度熟成した社会人なので、師弟制度を組むというよりはある程度自由にやらせて、会社に入ってから自分の目標となる人を見つけていって欲しいと考えています。

新卒は勿論、中途の方に対しても、研修制度は確立しています。
中途入社の場合であっても、最初の1ヶ月はプロジェクトに入らずに研修に専念していただくという形にしています。研修は、ロジカルシンキング・財務・法務・IT等の知識を学ぶものと、CDIのマインドセットを学ぶものが用意されています。前者の研修に関しては、中途入社の方はご自身のキャリアに照らして必要な研修だけを受けていただくことにしています。

しかも研修専任のマネージャーもつけています。
あとはプロジェクトの中で育成していくという形になります。

必要な資質は「強い意志」

- コンサルタントとして求められる資質についてお話いただけないでしょうか?
これはCDIに限らずどこの戦略コンサルティング会社でも共通でしょうが、「論理的にものを考えられる」「数字に強い」という点は必要条件、ベースの条件としてありますね。

次に「体力」。体力勝負のときも多い。
あとは「コミュニケーション能力」ですね。相談業ですから、自分の考えていることを紙に落とし込んだり、相手にしっかりと伝えることができる能力です。

新卒に関しては、特に言えば「やる気」を持っている人ですね。華やかなキャリアを追い続けるぞというジョブホッパー的なやる気ではなく、一流のコンサルタントになるぞ!というやる気です。
仕事はきついので「単に面白そう」から入ってしまうと、務まらないですね。

僕らが入った7年前は、コンサルタントは特殊な仕事、サラリーマンとは違うという意識を明確に持っていました。僕の認識ではコンサルタントはむしろ弁護士、医者、会計士といったプロフェッショナルに近い選択肢だと思ってます。

しかし今は普通の就職先の選択肢の一つ、商社、メーカー、銀行、コンサルティング会社・・・みたいに並列して挙げられていますよね。
普通の就職先の意識で入ると、コンサルタントはいわゆる普通の会社員とはまったく違うので、つらいのではないでしょうか。

「就社」ではなく、本当の意味での「就職」つまり、コンサルタント職に就くということ。本来はそういうイメージで考えてほしいのですが、今はそこのところで誤解しているひとが多いように思います。
専門家、一流のプロフェッショナルになる!と強い意志が、絶対に必要な資質だと考えています。

- 逆に入社を決めた方は、どういった点に魅力を持ってCDIに入社されていますか?
CDIは今まで申し上げたように、ちょっと変わった会社で、他の外資系戦略コンサルティングファームと比べて、多くの特徴があるんですね。そこに共感できるかどうかがポイントだと思います。

- お互いのマッチ感に関しては相当な手間と時間をかけて取り組んでいるそうですね。
はい。採用には、多大なコストをかけて取り組んでいます。たぶん採用に裂いている時間だけでいくつかのプロジェクトをまわすことができるくらいです。

中途であれば少なくとも4人のパートナーが面接します。
新卒は例えば1週間のジョブ形式で部屋にほぼ缶詰でケーススタディに取り組んでもらい、その中で、リーダーシップや思考力、表現力、粘り強さなど多面的に評価して、選んでいます。

候補者も会社側もお互いがお互いをよく見る機会がありますので、「CDIに来たい」と強く感じてくれる方が残っているような気がします。

- 最後に戦略コンサルタントを目指す方に個人的なメッセージをお願いします。

繰り返しになりますが、戦略コンサルタントはプロフェッショナルの仕事です。
医者が医療のプロフェッショナルなのと同じように、我々はビジネスと経営のプロフェッショナルだと思っています。

そういう仕事にやりがいや魅力を感じる方はどんどんチャレンジして欲しいと考えています。

先ほど、資質について話しましたが、意欲があればついてくるものだと思っているので、ぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。

- 戦略コンサルタントを志望される方に、日々心がけてほしいことは?
MBA的な方法論を学ぶことはそれはそれで必要なのですが、世の中全般や人間、組織に対しての感受性を磨き高めることが大事だと考えています。

今あの人は何を考えているのだろうとか、なぜ組織の不祥事は個々人が起こそうと思っていないのに起きるのかとか、そういったものの背景の人の心に対して思いをめぐらすことが大事だと思います。

僕自身も内定が決まった人には、MBAの本よりはむしろ歴史小説を読むことを勧めています。長い目で見るとそっちのほうが、大事なように感じますね。

- 有難うございました。

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倉沢 学 - Manabu Kurasawa -

東京大学工学部卒。同大学工学修士。スタンフォード大学理学修士。
日本IBM株式会社を経て、現在に至る。

機械、化学、食品、ソフトウェア、エンターテインメント、金融、サービス等の幅広い事業分野におけるコンサルティング経験を持つ。中期経営計画策定、事業戦略立案などから組織・人事・財務・業務・情報システム等の個別課題の改革まで幅広いテーマを手がけてきた。経営戦略と合目的かつ効率的な組織・業務・情報システムのグランドデザインづくりには特に豊富な経験を持ち、外部セミナー等での情報発信も積極的に行なってきた。また近年は、多種多様な事業分野に展開している多角化企業グループの企業価値向上に向けたグループ戦略、経営体制、マネジメントのあり方に強い関心を持っている。
2008-11-07 17:31:37
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