
各会社のトップコンサルタントに、ご自身のキャリアとコンサルタント転職について、お伺いする「トップコンサルタントインタビューシリーズ」。
今回は、株式会社コーポレイトディレクション アソシエイトパートナーの倉沢様にお話をお伺いしました。
倉沢様は外資系のSIerを経てコーポレイトディレクションに参画。現在はアソシエイトパートナーとして第一線のコンサルタントとしてご活躍されています。SIerからのご転職時のお話、コンサルタントとしての成長の3つの壁、コーポレイトディレクションの戦略コンサルタントの特徴、キャリアのチャンスについて語っていただきました。
第二回はこちらの記事になります。
http://www.consultantnavi.com/archives/50388957.html
第三回はこちらの記事になります。
http://www.consultantnavi.com/archives/50388958.html
第一回 戦略コンサルに転職するとは・・?コンサルタントは、思考の素振りで脳力を鍛える
CDIに参画されたきっかけ
- 倉沢さんは、CDIに参画する前は外資系大手のSIerにいらっしゃったと聞いております。91年に大学院を出て、外資系の大手SIerに入社しました。SE、プロジェクトマネージャーなどを経て、97年にスタンフォード大学コンピューターサイエンスの修士課程に留学しました。MBAではなく、コンピュータサイエンスです。帰ってきて、引き続きプロジェクトマネージャーをやりつつ、アジアパシフィック地域の技術支援などにかかわりまして、その後01年にCDIに参画しました。
- どうして戦略コンサルタントを目指されたのですか?
戦略コンサルティングという仕事には、大学院生時代から強い興味がありました。大前研一さん、堀紘一さんがメディアに出始めて、戦略コンサルタントという職業が世の中に認知されたころでした。私の中では、この仕事にピンと来るものがあったんです。将来的に自分のやりたい仕事のイメージだと。
ただ、そのときは理系の大学院生が実務経験もないまま、いきなり経営者にアドバイスなどできるのかということが気になっていました。何名かのコンサルタントにもお会いして「当事者でない視点からモノが言えるから価値があるんだ」と言われましたが、当時は納得できませんでした。
それよりも、「社会人として、5年くらいきっちり実務を経験してからもう一度考えてみよう」と思って、外資系のSIerに決めました。
私は、一つのフィールドに取り組んだら必ずそこで一つの柱を立てたいと思っています。SIerに就職したからには、一流のSEになってから戦略コンサルタントの仕事に移ろうと考えていました。
留学から帰ってきて、ある信託銀行のプロジェクトで、それまでにない規模のプロジェクトマネージャーをさせていただきました。これでSEのキャリアとしては1つ納得いくものができたという思いもあり、タイミングをみて転職活動をして、CDIに参画しました。
思考の素振りをして壁を乗り越える
- これからは、CDIに入社してからのお話をお聞かせ下さい。実際外資系のSIerにいらっしゃったときは、IT導入に関してのコンサルティングをされていたわけですよねはい。私がいた部署のプロジェクトマネージャーは実質的にはITコンサルタントに近い仕事でした。
- 戦略コンサルタントという仕事につかれて、どのようにお仕事は変わりましたか?
正直言いまして想像以上にハードルは高かったです。
自分はコンサルタントの仕事をIT分野ではありますが、ある程度経験してきたという自負はありました。CDIに入社してから、システムコンサルタントと戦略コンサルタントは全然違うと感じました。特に大きかったのは、ゴール感の違いでした。
システムコンサルタントはゴール、つまり100点のラインはお客さんがある程度決めていることが多いんです。「今回のシステムでこんなことがやりたい」「こんなシステムが作りたい」などなど。それを具体的にどう実現していくかを提案するのがシステムコンサルタントでした。だから、忠実に100点を狙えば良かったのです。もちろん95点はだめだし、110点を狙ってはいけない仕事です。いかに100点を取り切るかがシステムコンサルタントの仕事なんです。
逆に戦略コンサルタントは、何が100点かをこちらが考えなければいけないというところが一番のギャップでした。もちろん、110点を狙うことも自由ですし、むしろ歓迎されます。
- だから、自分が何をすればいいのか誰も教えてくれないんですね。
考えてみれば当たり前なんですが、それを実感として感じたことが当時一番戸惑い、そして苦労した点でしたね。
- それはどのようにして慣れていったのでしょうか?
基本的にはマインドセットだと思います。
「お客さんのために何をして差し上げるべきなのか、をまず考えてみるのが仕事」だと自分に意識付けをしました。今までの仕事はこの部分がなかったので、最初は強く意識して考えるようにし、習慣化するように努力しました。
最初の1年間でプロジェクト5つか6つ携わっていたのですが、その間ずっと頭の思考回路から作り直すことを繰り返して、なんとか昔のマインドを追い出せましたね。
実際に事業会社からCDIに転職してきた方にお話を聞いてみると、同じ悩みを経験している人も多く、口をそろえて「考えるしかない」と答えていました。野球選手が「まず素振りを繰り返すこと」と言うのと同じようなことで我々も「思考の素振りを繰り返す」しかないのではないかと思います。
そのようにその仕事の基本動作を身に着けるのが一人前のコンサルタントに向かうための第一歩ではないでしょうか。
この「基本動作」が出来るようになるかどうか?
これが最初の壁です。一コンサルタントとしてチームの中で価値を出せるようになるためにはこの壁を突破しないといけません。
- 次の壁はなんでしょうか?
2つめの壁は「マネージャーとしての壁」です。
この壁は部下をマネージしてリーダーとしてやっていけるようになるという壁ですね。優秀で個性豊かな若いコンサルタントを率いて、プロジェクトをまとめられるようになれば、コンサルティングプロジェクトのマネージャーとしては一つの完成形です。
最後の3つ目の壁は「人間力」だと思っています。
コンサルタントは相談業なので、「誰にもいえない悩みを打ち明けてもらえるような存在になる」ことがゴールだと思っています。
経営者は孤独なので、部下に言えない悩みを抱えています。そして我々の本質は、その誰にも言えない話を相談するために呼んでもらうことだと考えています。
そんなときに必要なのは、数字に強いだとか、論理的思考力があるとか、そんな力ではないんですよね。
「こいつに話をしたい」「こいつの話を聞きたい」と言っていただくことがゴールだと思っています。
これに関しては私は、まだまだ発展途上だと思っています。
職業を超えた総合力が必要だと思っています。経営者の方と真摯に対面し、日々鍛錬を積むしかないというように思っています。
この壁は最後の大きな壁でもありますが乗り越えるというものではないかもしれません。人間力を高めるということは、一生涯追い続けるべき課題だと思うからです。
- ありがとうございました
第二回はこちらの記事になります。
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第三回はこちらの記事になります。
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| 倉沢 学 - Manabu Kurasawa - 東京大学工学部卒。同大学工学修士。スタンフォード大学理学修士。 日本IBM株式会社を経て、現在に至る。 機械、化学、食品、ソフトウェア、エンターテインメント、金融、サービス等の幅広い事業分野におけるコンサルティング経験を持つ。中期経営計画策定、事業戦略立案などから組織・人事・財務・業務・情報システム等の個別課題の改革まで幅広いテーマを手がけてきた。経営戦略と合目的かつ効率的な組織・業務・情報システムのグランドデザインづくりには特に豊富な経験を持ち、外部セミナー等での情報発信も積極的に行なってきた。また近年は、多種多様な事業分野に展開している多角化企業グループの企業価値向上に向けたグループ戦略、経営体制、マネジメントのあり方に強い関心を持っている。 |



