「30歳までに経営幹部になれるキャリアの作り方」バックナンバー

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30歳までに経営幹部になれるキャリアの作り方

第7回:「大企業社員型」のキャリアマップ

第一回では、『自分の人生の選択は自分の頭でよくよく考えて、自分で決めること』、そして第二回では、『リタイア直前の状態とリタイア直後の状態が、能力的かつ、経済的に、自分の希望とマッチしていてこそ「安定したいい余生」が保証されているといえるのではないか?』といった話をした。

また第三回、第四回、第五回では7つのキャリア目標パターンとは悠々自適を目指すなら「経営幹部」か「経営幹部」を雇う人を狙うべきであるという話をした。
第七回はキャリアパスの設計手法であるキャリアマップに付き述べた。

今回は、このキャリアマップを使って実際にキャリアをシミュレーションしてみることにする。

大企業社員のキャリア特性


ここでは、まず、「大学出たら、大企業に行って、まずは一流の社会人になってからスタート」とごく普通の人生を開始した場合のキャリアマップを描いてみる。ただし、プロフェッショナル職を専門として扱う企業はここでは除くこととし、プロフェッショナル職は別途考察する。

 キャリアマップを描く前に、大企業社員として、新卒で入った場合にありえる、本人の志向や環境により、セットされるキャリア特性に付きまず整理する。

<長所>
☆大企業に入社できていることから、その人は、学歴、能力において、最低限のものを持っていると考察できる。

☆いわゆる礼儀正しさ、組織的な対応の仕方等、社会人として必要なビジネスマナーなどのいわゆる最低限のスキルは確実に身につけることが出来る。

☆国家的なことや、大きな仕事に携わることが比較的容易に出来るため、これら仕事についての視野が広くなる。

☆大企業であるがゆえ、中小企業に比較すれば、企業組織として存続する可能性は高い。

<短所>
★やりたいことは何か?をとことん突き詰めて大企業社員という選択よりは、「とりあえず」のキャリアで選択したケースもかなりあるし、先輩にそのような人がかなりいるため、言われたことはちゃんとできるが、枠組みを超えた発想や、自分だけでやりきるパワーにかける人材になってしまう可能性がある。

★大企業には大企業にしか持ち得ないブランドやパワーを持っているため、ここに安住して動きが取れなくなる。またはさらに悪いことに、このブランドを自分の能力の一部と勘違いしてしまうような人材になってしまう可能性がある。

★大企業であるが故、その役割分担が上手に出来ており、そもそもの目的をベースにした役割設計などの肝心な仕事よりは、役割に従った作業の遂行のような、比較的「歯車的」な仕事に従事する比率が高くなる傾向がある。その結果、役割分担や仕事の環境、仕組みがちゃんとしていないとうまく仕事が出来ないいわゆる「歯車的」な人材になってしまう危険性がある。

★大企業であるが故、競争相手が多く、昇進ポストが限られているゆえ、やりがいのある組織、ポストにつくための足の引っ張り合いに貴重な時間を割かれる可能性があり、またポストにつけなければ結局それまでのキャリアでストップしてしまう。

★かつての日本社会とは違って、ブランドをもった大企業であっても、潰れたり、他社に乗っ取られたり、大規模リストラの憂き目にあったりすることは日常茶飯事でありえる。

大企業社員のキャリアパス


大企業社員のキャリアパスは比較的おなじみの、

社員>主任>課長>部長>事業部長>>本部長>取締役>社長

といった段取りが一般的であろう。

 「昇進の早さ遅さ」、「抜擢人事をするかしないか」など、企業によりいろいろな違いはあるが、早くて30歳台で課長、40歳台で部長、50歳台で事業部長、まれに取締役、60歳台で社長。といった感じであろうか。

 大企業にいながら早いタイミングで昇進することができ、30歳台の前半で役職者(例えば部長職以上)になれれば、大企業組織マネジメントを早くから実施してきた武器を生かして、中小企業経営やプロフェッショナル職にキャリアチェンジすることも可能な場合がある。様々なIT企業や中小企業の経営者、経営コンサルタント等は、大企業の若手エースからの転進組が少なくない。

逆に組織マネジメント経験が無いままであったり、ある程度年齢が行ってしまった場合は、他のモデルへのキャリアチェンジは他のモデルでのゼロスタートを余儀なくされるので、苦しい上にかなり難しいと思ったほうがいいだろう。この場合は大企業にいるまま上位職を目指すのが無難だろう。

大企業で昇進が早いと思われるのは、客観的な数字で評価されやすい営業職が有利だ。逆に客観的な数字などで評価されにくい他の部門出身で大企業の役職者に早くなるのはかなり難しいと考えたほうがいい。

「経営幹部」に向けたキャリアパス設計とは?(参考)第七回


 ということで、もし、まずは大企業に入社するとしても、将来キャリアに幅を持たせたければ、30歳台前半で役職者を目指せる可能性のある、営業職を志望することをお勧めする。ただし、営業成績がトップクラスで無い限り思い通りになれない可能性が高いので、いづれにせよ楽な話ではなさそうだ。

そもそも、その会社やその製品、サービスが好きでその会社を選んだ場合は、一生その会社でやりきるつもりで上位職を狙う、ないしは会社の一つの機能を担うのもいいだろう。ただし、その会社が何時までも順調に事業を継続できるかどうかは今の時代保証できないので、いざというとき確実に生き残れる能力はつけておく必要があるかもしれない。

ミニテスト6



【ミニテスト7】
第一問:大企業内でのキャリアの最も一般的なものはどのようなものか?X0歳台でXXのように回答せよ。
第二問:まずは大企業に入社するとしても、将来キャリアに幅を持たせたければどのようなキャリアがありえるか?
第三問:大企業内でのキャリアを早めるにはどのような業務が望ましいか?またそれはなぜか?


前回(連載第6回)のミニテストと模範解答
ミニテスト6
第一問:キャリア選択において最も重要な選択はいつのどの選択か?
第二問:確実に早くキャリアを積むことが可能な環境はどのような環境か?
第三問:自分の将来キャリア設計を現実的にわかりやすくする方策は?

【ミニテスト6(回答案)】
第一問:『キャリアの設計と選択は早ければ早いほうがいい』ということは、学校出た後の最初の職業選択が『最も』重要だということ。キャリアの選択は後回しにすればするほど、選択の幅は加速的に狭まる。

第二問:会社員や、プロフェッショナルやりながら、部下の採用や育成をしたり、事業開拓を実施するチャンスと成功体験があれば、もちろん経営者としてのスキルを身につけることができるわけで、同時にいろいろなスキルを身につけられる環境に身をおいたほうが、確実に早くキャリアを積むことが可能。

第三問:『あのひとみたいになりたい!!』といったキャリアモデルが設定できればその実例を参考にするのに越したことはない。世の中のいろいろな人たちのキャリアをインターネットなど調査し、参考にして、自分の将来キャリアを設計するなど。

*注:テスト問題の性質上、回答案は著者の視点からの回答案の一つであり、すべての答えを網羅的にカバーしているとは限りません。

松川 孝一
シンクログローバル株式会社 代表取締役社長
株式会社日本ピーエスエス 代表取締役社長
早稲田大学商学研究科、早稲田大学ビジネススクール 客員教授
早稲田大学IT活用新ビジネス研究会 副理事長
学習院マネジメントスクール 講師・顧問

東京工業大学工学部生産機械工学科卒業。
プライスウォーターハウスコンサルタント株式会社入社。PwCコンサルティング株式会社 執行役員 パートナー、アイ・ビー・エム ビジネスコンサルティングサービス株式会社 執行役員 パートナー 公益事業部長、株式会社大洋システムテクノロジー取締役を経て現職。
また現職のかたわら、早稲田大学ビジネススクール客員教授としてIT戦略マネジメントの授業、学習院マネジメントスクール顧問・講師としてABC/ABM、プロジェクトマネジメントの授業を受け持つ。

主著に「図解ABC/ABM(第二版)」東洋経済新報社、共著に「MOT」入門日本能率協会マネジメントセンターなどがある。
ここまでの約10年間の間、計500人以上の様々な会社におけるのプロフェッショナル職のキャリア相談を受けている。
現在、従来からのコストダウン、シェアアップのコンサルティングに加え、新しい事業コンセプト・事業モデルの開発にチャレンジ中。

http://www.syncgl.com/【シンクログローバル株式会社】
http://www.winb.org【早稲田大学IT活用新ビジネス研究会】

2007-12-21 22:32:20
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