「30歳までに経営幹部になれるキャリアの作り方」バックナンバー

RT^goҍ̗pgbvRT^g{R[X
30歳までに経営幹部になれるキャリアの作り方

第6回: 自分のキャリアマップを作ってみよう

 第一回では、『自分の人生の選択は自分の頭でよくよく考えて、自分で決めること』、そして第二回では、『リタイア直前の状態とリタイア直後の状態が、能力的かつ、経済的に、自分の希望とマッチしていてこそ「安定したいい余生」が保証されているといえるのではないか?』といった話をした。
 
また第三回、第四回では「企業内外」における7つのキャリア目標パターンとそのリタイア後状態の話を整理してきた。第五回では悠々自適を目指すなら「経営幹部」か「経営幹部」を雇う人を狙うべきであるという話をした。
今回以降は、この「経営幹部」を狙うキャリアパスとその一つの設計手法であるキャリアマップに付き考察する。

(1)キャリアは何時から考えるべきか?


 たとえ80歳、90歳まで生きるとしても。現役でバリバリ働けるのは(個人差あるかもしれないが)、大体60歳まで、とすると、20歳からの40年間しかない。
また、40歳超えてから、それまで培ったものを全部捨てて、自分のキャリアを大転換するのは、もはや殆ど無理といって良い。ということは、人生上のビジネスキャリアのほぼ80%以上は20〜40歳の20年間で決まるといって良い。

 さらに言うなら、20〜30歳の10年間が確実にその後の10年間のベースになるので、20歳からの10年間はその後の一生の50%以上を決めるといっても過言ではないだろう。

 「大学出たら、『とりあえず』みんなと一緒に大企業に行って、営業職(事務職)からスタート」という意思決定する人は、「将来、経営者になるために、成長余地とビジョンのある中小企業にプロフェッショナルとしてスタート」という意思決定の人と10年後にもはや追いつくことが不可能なくらい大きな差がついていると考えたほうが良い。

 もちろん大企業の方がもしかしたらリスクが少なくある程度安定しているかもしれない。中小企業の方がもしかしたら不安定で人生で苦労するかもしれない。

 しかし、ここまで述べてきたとおり、大企業に入ったからといって、入った大企業がずっと安泰とは限らないし、高い給料が保証されているとも限らない。また、悠々自適の経営者になりたいとしても、経営者ポストが社員数のわりに少なく競争も激しいし、ポスト競争に足の引っ張り合いは日常茶飯事だ。経営者の任期も年々短くなっている。

 最近は大企業だからといって給料もそれほど高くないし、伸びも小さい。さらに、中小企業に比べ昇進のチャンスも少ない。大企業だからこそ、任される仕事もちゃんと整理・細分化されている分、経営全体を俯瞰するチャンスも少ない。さらに、自分の頭で自分のキャリアを考え、選べる機会が少ない分、もし、万が一、放り出されたら結局同じキャリアの延長で行くしかなくなる。という点なども考慮すると、トータルな人生設計で大企業が本当にローリスクだろうか?

 例えばここまでちゃんと考えた上で、それでも大企業を選ぶなら、それは「自分の頭でちゃんと考えた上での選択」であるので、自らの意思決定に責任を持って進むべきだろう。しかし「『とりあえず』の選択」はあとで悔やんでも取り返せない。

 ここで、言いたいのは、『キャリアの設計と選択は早ければ早いほうがいい』ということである。ということは、学校出た後の最初の職業選択が『最も』重要だということ。キャリアの選択は後回しにすればするほど、選択の幅は加速的に狭まることを理解したほうがいい。

(2)キャリアのスタートとキャリアのゴールをつないで、設計してみる


 学校出た後の最初の職業選択が『最も』重要であると先に述べたが、学校出た後の最初の職業選択も類型化可能だ。

結局のところ、

(1)学生で起業、
(2)教職ないしは研究者見習い、
(3)プロフェッショナル見習い、
(4)企業に入っての研究開発部門、
(5)営業・マーケティング部門、
(6)製造・物流部門、
(7)事務・企画部門に配属見習い

から、のうち大枠どれかに含まれることになる。

また、ゴール(リタイア時のキャリア)は先の章に述べた、

(1)投資家、
(2)オーナー社長、
(3)大学教授、
(4)独立プロフェッショナル、
(5)企業経営者、
(6)企業役職者、
(7)会社員

をセットし、
自分の開始キャリアから、ゴールキャリアまで、5年、10年単位でどのようになりたいのか?どのようにするつもりなのか?線でつないでキャリアマップの設計をすればいいのである。

 さらに、社会人見習い期間が終わってそれなりに世の中の役に立っていなければいない30歳代において取りえるキャリアを仮に、(1)オーナー経営者、(2)共同経営者、研究者・教職、(3)プロフェッショナル(独立、社内含む)、(4)事業・企業経営者、(5)部門役職者、(6)会社員と類型化すると、さらに設計しやすいかもしれない。

 このような感じで、20歳台から30歳代、40歳代、リタイア時までの取りえる自分のキャリアの選択支を線でつなげば自分自身のキャリアマップの完成である。

キャリアマップを作ってみよう(参考)


(3)キャリア設計上の考慮点


 といっても、いまさら当たり前のことであるが、実際のキャリアパスには、実質的に可能/不可能があり、ただ線でつなげばいいってわけではない。
例えば学生時に起業してオーナー経営者になることは普通にありえるが。大企業の1社員から始まって、30歳でオーナー経営者になることは通常ありえない。
企業に入って間もないうちに大企業を辞めて無理に起業する人も多いが、学生起業再スタートと殆ど変わらないキャリアパスと考えていいだろう。
20歳代でプロフェッショナル職の経験がない人が、プロフェッショナル組織の経営をしていることも通常ありえない。しかし、20歳代でプロフェッショナル職を極め、マネジメントの訓練をつめば、30歳代でプロフェッショナル企業の経営者になることは充分にありえる。

 つまり、キャリアパスの選択はそれまでの経験で培った能力や人間関係などのスキルに依存するわけで、やったこと無いことをいきなりやれといわれてもそれはそもそも無理というものだ。
会社員や、プロフェッショナルやりながら、部下の採用や育成をしたり、事業開拓を実施するチャンスと成功体験があれば、もちろん経営者としてのスキルを身につけることができるわけで、同時にいろいろなスキルを身につけられる環境に身をおいたほうが、確実に早くキャリアを積むことが可能だ。

 また、『あのひとみたいになりたい!!』といったキャリアモデルが設定できればその実例を参考にするのに越したことはない。世の中のいろいろな人たちのキャリアをインターネットなど調査し、参考にして、自分の将来キャリアを設計するのはいかがだろうか?

次回はこのキャリアマップをベースにキャリアパスを下記のいくつかに類型化して考察する。
★大企業社員型キャリア
★中小企業型キャリア
★プロフェッショナル型キャリア
★学生起業型キャリア

ミニテスト6



【ミニテスト6】
第一問:キャリア選択において最も重要な選択はいつのどの選択か?
第二問:確実に早くキャリアを積むことが可能な環境はどのような環境か?
第三問:自分の将来キャリア設計を現実的にわかりやすくする方策は?


前回(連載第5回)のミニテストと模範解答
ミニテスト5
第一問:キャリア目標を達成するため、より高い目標設定が必要なのはなぜか?
第二問:余生三冠達成(悠々+投資+先生)が目指せる目標キャリアはどれか?
第三問:余生三冠達成(悠々+投資+先生)が目指せる目標キャリアを一言で言うと?

【ミニテスト5(回答案)】
第一問:どんなに考えても目標値より大きな結果を出すことは殆どありえないが、目標値より下振れするのは当たり前のようにありえるから。
第二問:★企業経営者、★オーナー社長ないしはオーナー(投資家)、★プロフェッショナルの3つの目標キャリアのいずれか。
第三問:『「経営幹部」か「経営幹部」を雇う人』

*注:テスト問題の性質上、回答案は著者の視点からの回答案の一つであり、すべての答えを網羅的にカバーしているとは限りません。

松川 孝一
シンクログローバル株式会社 代表取締役社長
株式会社日本ピーエスエス 代表取締役社長
早稲田大学商学研究科、早稲田大学ビジネススクール 客員教授
早稲田大学IT活用新ビジネス研究会 副理事長
学習院マネジメントスクール 講師・顧問

東京工業大学工学部生産機械工学科卒業。
プライスウォーターハウスコンサルタント株式会社入社。PwCコンサルティング株式会社 執行役員 パートナー、アイ・ビー・エム ビジネスコンサルティングサービス株式会社 執行役員 パートナー 公益事業部長、株式会社大洋システムテクノロジー取締役を経て現職。
また現職のかたわら、早稲田大学ビジネススクール客員教授としてIT戦略マネジメントの授業、学習院マネジメントスクール顧問・講師としてABC/ABM、プロジェクトマネジメントの授業を受け持つ。

主著に「図解ABC/ABM(第二版)」東洋経済新報社、共著に「MOT」入門日本能率協会マネジメントセンターなどがある。
ここまでの約10年間の間、計500人以上の様々な会社におけるのプロフェッショナル職のキャリア相談を受けている。
現在、従来からのコストダウン、シェアアップのコンサルティングに加え、新しい事業コンセプト・事業モデルの開発にチャレンジ中。

http://www.syncgl.com/【シンクログローバル株式会社】
http://www.winb.org【早稲田大学IT活用新ビジネス研究会】

2007-11-14 14:10:20
コンサルタントナビに掲載されている画像・文章・データの無断転載を禁じます。
すべての著作権は株式会社ティンバーラインパートナーズ(コンサルタントナビ運営)に帰属します。
Copyright(C) 2004-2008 Timberline Partners, Inc. All Rights Reserved.
なかのひと