その前提が間違いです
その前提が間違いです。 (講談社BIZ)こちらは、元コーポレイトディレクションで現在テキサス大学サンアントニオ校で
准教授を執られている清水勝彦氏の著書です。
ロジカルシンキングの本は現在たくさん書店に並んでいます。
それらは、当然、論理的に議論を進めるための道具であり、思考プロセスを
明らかにする方法論だと思います。
しかし、いくら論理的に正しいプロセスを経たとしても、前提が誤っていれば
論理的に正しいが、誤ったゴールに進んでしまいます。スタートの立脚点が
異なるのですから。
たとえば、ケーススタディ。
少ない情報の中、なんらかの道筋をつけて議論を進めるものですが、
ここで、前提を抑える人のなんと少ないことか。
わかりやすく言えば
「東京湾アクアライン。売上げを2倍にしてください」
というお題があった場合に、いきなり
・広告をうってマーケティングして交通量増やします!
・料金を半額にします!
といった方策から入ってしまうのではなく
・東京湾アクアラインは川崎と木更津を結ぶ路線です
・現在のアクアラインの交通量の自動車とトラックの割合は1:1とします
・現在は1日3万台交通量があるとします
といった前提条件を設けるようなことです。
この本では、この前提を考えないもしくは軽視している状況で生じる
問題をわかりやすく説明してくれています。平易な文章で理解もしやすいです。
途中、戦略についての言及があります。
この部分は非常に面白い内容でした。
特に152ページの
「戦略」と「実行」の身分格差
というリードの周辺は戦略と実行という事に触れられており
戦略を立案する本社と、それを実行する現場の間にある壁の存在
そして、両者の立脚点の違いなどを示してくれます。
せっかくつくりあげたすばらしい戦略を、現場が理解せず、
実行もはかばかしくない
という問題に対して、大前提と前提を提示してこの理由を説明しています。
戦略系コンサルに興味のある方は一読をお薦めします。
この本に書かれている内容は、読んでみれば、「ああ、そうだね」と同感できる
ことばかりです。しかし、どれだけの人が、前提を考えて議論をしているのか
「そもそも・・・なんなの?」という問いをどれだけしているのか、甚だ疑問です。
この本を読むことで前提をもっと大事に感じほしいと思います。
コンサルタントは少なくとも、「そもそも・・・なんなの?」が最初に
来てしまう思考の習慣がある人だということも。
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