「30歳までに経営幹部になれるキャリアの作り方」バックナンバー

30歳までに経営幹部になれるキャリアの作り方

第1回:トレンドに乗ったキャリア選択では損するかも?−キャリア設計の開始点

いい会社って何だ?


なんとなく、親から、ないしは学校の先生から言われていた。
「いい大学出て、いい会社に入って、ちゃんと勤め上げると、安定したいい余生がおくれます」と。
これをそのまま信じて生きるのも良いだろう。
とすると、ここでいう、いい会社って何だ?ちゃんと勤め上げるって何だ?いい余生ってなんだろう?

高度成長時代に人気のある「いい会社」は製造業。
その後のバブル時代に人気のあった「いい会社」は商社、金融だったか。

いいもの作って世界中の人の役に立ちたいなら製造業を選ぶべきだろうし、世界をまたに駆けてビジネスを創造しまくるなら商社も良いだろう。

あまたの産業振興を本気で進めたいなら金融もいいかもしれない。しかし、ここでご両親や先生が言う一般的な「いい会社」とは、

1) 雇用が安定していて
2) 給料が高くて
3) やりがいがある

だとすると、いまの段階でどうだろう?

高度成長時代の人気企業は今


 高度成長時代にあった製造業で、リストラを経験していない会社など殆ど無いし、給料が金融系よりもらえている会社など殆ど無いのではないだろうか?

「やりがい」は本人の気持ち次第だが、本当に自分のしたかった「ものづくり」にたずさわっている人も一握り未満だろう。

いまの時代、「ものづくり」は要素技術・部品の開発と組み立てられた製品の開発に分業されていて、「もの」の全体を企画しながら作ることなどほとんどありえない。

また、製品のライフサイクルが短くなり競争がグローバル化して、持っている要素技術や製品の開発、市場化が少しでも遅れたり、不採算事業の整理がもたつくと、買収対象になり、下手するとリストラか給与カットの対象になる。

バブル期にも元気だったが、いまは商社も大変だ。
かつての利権ベースのビジネスはだんだん先細ってきている。インターネットの普及は、日本と海外との内外市場格差を確実に埋めてきている。

新しいビジネスを生み出し、参入障壁を確固たる物にして、できるだけ長く持たせない限り生き残りはありえない。
製造業より個人プレイがまだ認められるだけ、給与は確かに製造業よりは高いケースが多いが、だからこそ結果が出せないか、ともすると給与カットの上、関連会社に飛ばされてキャリアはそこで終わってしまう。もちろん関連会社社長は立派な商社のエリートキャリアの一つだが。

金融系の仕事も大きく変わった。
生命保険会社や損害保険会社、都市銀行が就職先の花形だった時代はどこに行ってしまったのだろうか?

また、政策に守られてきたタイプの金融機関の多くもいまや跡形も無い。
外資系や事業開発を地道に支援してきた投資系金融機関などを除いて、規制に守られていたゆえに生き延びていた、仕事の内容に創造性の少ないビジネスは当然のことながら、その価値にあわせて整理縮小されてしまう。

トレンド(流行)に乗っていればいい時代は“終わった”


「雇用」と「給与」と「やりがい」を求めることは決して悪いことではない。
しかし、その選択が『自分が就職する時代のトレンド(流行)に乗っていればいい時代は“終わった”』ということを認識したほうがいい。

市場の成熟化とグローバル化、規制緩和が進み、今後ますますこのトレンド変化のスピードは加速する。
親や先生や先輩など、他人に「どういう会社に行く(ないしはどのような職業に就く)のが良いですか?」とか、同期、同僚が言っているいまお勧めの会社や業種なんて、面白い話かもしれないが、あまり意味がないということを認識すべきである。トレンドは以前に比べより早く、より確実に終わるのである。

それではこの時代においてより豊かな生活を送るために、自分達は一体どうすればいいのだろうか?

一見、普通で当たり前のことだが、『自分の人生の選択は自分の頭でよくよく考えて、自分で決めること』である。
また、時代の動向に合わせて、自分の人生キャリアを都度、必要なときに選択しやすくしておくことも重要かもしれない。

言われるまでも無く、会社という組織にはまり込んでしまうのも問題だ。
『会社は自分のキャリアと時代の変化を見ながら使いこなすもの』と認識したほうが良いだろう。

会社側も当然のことながら市場の変化により、社員能力の転換を迫ってくることになり、ビジネス変化に対応できない社員はいずれにせよ要らないのである。

ミニテスト1


第一問:親や先生の時代に言われていた「いい会社」の定義とは何か?
第二問:親や先生の時代に言われていた「いい会社」が今は違ってしまったのはなぜか?
第三問:現在存在する「いい会社」が長持ちする可能性はかつてに比べ、高いか低いか?また、それはなぜか?

【ミニテストの回答は次回連載時に発表します】

 松川 孝一
 早稲田大学ビジネススクール客員教授
 株式会社大洋システムテクノロジー 取締役 専務執行役員
 コンサルティング事業「ハイブライド」マネージングパートナー



東京工業大学工学部生産機械工学科卒業。
プライスウォーターハウスコンサルタント株式会社入社。PwCコンサルティング株式会社 執行役員 パートナー、アイ・ビー・エム ビジネスコンサルティングサービス株式会社 執行役員 パートナー 公益事業部長を経て現職。
また現職のかたわら、早稲田大学ビジネススクール客員教授としてIT戦略マネジメントの授業、学習院マネジメントスクール顧問・講師としてABC/ABMの授業を受け持つ。
主著に「図解ABC/ABM(第二版)」東洋経済新報社、共著に「MOT」入門日本能率協会マネジメントセンターなどがある。最近は日本一の経営者(の右腕)輩出企業の創造を目指して尽力中。ここまでの約8年間の間、月に10人以上、様々な会社のプロフェッショナル職のキャリア相談を受けている。
大洋システムテクノロジー:http://www.taiyo-st.co.jp/
ビジネスコンサルタント集団「HYBIRDE(ハイブライド)http://www.hybride.jp/」では、コンサルタントを積極採用しています。詳しくはハイブライドの求人情報から

2007-07-03 07:00:00
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