『社内失業』するコンサルタント
Available、アベイラブル、ベンチ、アベる。こういった言葉を聞いたことありますか。
コンサルタントになれば、どこかのクライアント企業に入りこみ、バリバリ
仕事する。そういったイメージはないでしょうか。コンサルタントは
プロジェクトに所属して働きます。プロジェクトも、ひとつのクライアント
企業に複数動いていることも少なくありません。
働いているコンサルタントこそコンサルタントとしての価値を発揮している
状態です。しかし働くプロジェクトがない場合はどうでしょう。
それが、上記の言葉で呼ばれる状態なのです。
たしかに、多くのコンサルタントは、一つのプロジェクトに所属しているか、
もしくは、年次があがってきたり、コンサルティング会社にもよりますが、
複数のプロジェクト(複数のクライアント)を掛け持ちすることがあります。
コンサルタントは入社後、社内のインダストリー(担当する業界)のグループや
ソリューション(得意分野)のグループに所属することになりますが、
アサインメントと呼ばれますが、プロジェクトに配属されます。
もしあなたがコンサルタントになった場合、まず、入社後になんらかの
グループの所属となり、そのあと、そのグループで担当しているプロジェクトに
配属になります。
プロジェクトにも期間がありますし、プロジェクトの進行具合によって、
必要となるスキルが変わってきます。プロジェクトの責任者が判断して、
プロジェクトの区切りのいいところで、あなたはプロジェクトから出ることも
あるでしょう。また、あなたから希望を出して、プロジェクトから抜ける
こともできます。それ以前に、あなたの働きが悪ければ、プロジェクトから
たたき出されることもあるでしょう。
とにかくプロジェクトから出ると決まったら、社内のアサインメント担当者
などから、次のプロジェクト希望の相談などを行ったりもします。
そこで話がまとまれば、次のプロジェクトに行きます。別途それとは異なる
ルートで、あなたのことを知っている社内の別のコンサルタントからお声が
かかって、別プロジェクトに呼ばれることもあるでしょう。所属されていた
プロジェクトの上司から気に入られていれば、引き続きその上司が担当する、
別のプロジェクトに呼ばれることもあるでしょう。どこからも声がかからなければ、
社内のアサインメント担当者からのプロジェクトの案件をいただくしか
ありません。
プロジェクトをひとたび出たあと、次のプロジェクトにアサインされるまで
期間が空くときがあります。これを会社によって呼び方は違いますが、
一部のファームでは「アベイラブル」、他では「ベンチ」などと呼ばれたり、
とくにアクセンチュアではアベイラブルを「アベる」というように言ったり
します。
このアベイラブルの期間は、いつコンサルティング会社のアサインメント
担当者に呼ばれるかわからない状態ですので、社内にいるべきです。
しかし会社(この場合は、クライアント先ではなく本社)に来てもいない人も
多々います。コンサルタントが羽根を伸ばす時間とも言えます。
厳密にいえば、次のプロジェクトの開始まで空いている状態と、まったく
次の仕事が決まっていない状態では状況異なりますが、プロジェクトに
就いていない期間は等しくアベイラブルと呼ばれます。
ただ、このアベイラブルの期間が長くなると、自らの稼動率が下がります。
コンサルタントの稼働率とは、プロジェクトに所属して、自分のコストが
クライアント(つまりはプロジェクト)から出ている状態にある期間の割合を
言います。稼働率も評価の対象になります。稼働率が低ければ、
コンサルティング会社からの持ち出しになります。
金食い虫。評価は下げざるを得ません。
アベイラブルの原因としては
・社内に抱えているプロジェクトが絶対数として少ない
・自分のクラス、スキルにあったプロジェクトの求人がない
・そもそも、ダメな子だった
ということが考えられます。自分ではどうしようもない状況もあります。
アサインメント担当者から、いろいろなプロジェクトを紹介されますが、
えり好みするということもできます。しかし、希望を出しても、複数候補者が
いたら、落とされることもあります。自らの意思で『働かない』ということで
はなく『働けない』という状態もあり得るわけです。それでも給料は
出つづけます。まったく成長していませんし、コンサルタントとしての
価値も出していませんが・・・。
企業に属していながら、社内で失業しているような状態がありうる、
社内にも求人市場があるのがコンサルティング会社なのです。
[2006-9-26 初掲から加筆修正]
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