ケース面接対策 〜コンサル思考によるケースアプローチ (5)
前回からちょっと時間がたってしまって、やや間のびしているこの企画でありますが、すいません、こつこつ書きますので、最後までお付き合いください。さて、前回までは、「割り箸の消費量を見積もる」というケースで、みなさんの見積り方をひとつひとつレビューしていきました。
一番多いというか、過去このケースを3回ほどやりましたが、すべてのチーム、すべての人が、「どういう属性のひとが、どのいう場合に外食するから・・それを計算する」というロジックで見積りを行なっていました。
割り箸を使うのは「外食のとき」という関連にみな注目しながら、なぜか全てのひとが、外食する機会はいつか?という方向にいってしまいました。その方向でかっちりとした議論ができればいいのですが、みなさんの回答をレビューしたところ、なかなか難しそうです。サラリーマン、主婦、老人など、人間の食生活からから考えるアプローチでは、どうやってガンバッテも抜け漏れがあるか、ロジックが途中で飛んでしまうか、複雑すぎて理解できないか、とにかく、納得いく方法はえられなさそうです。
そこで、発想の転換をします。
なぜ外食産業そのものから切り込む方法をおもいつくひとがいないのでしょうか?
外食と割り箸が深い関係にあるなら、ズバリ外食からはいったほうがいいと思いませんか?
外食で、そう何本も割り箸をつかうひとはいないから、外食1食につき、割り箸1本という単純な図式が成り立つとしましょう。
つまりは、外食の提供数=割り箸消費数
ということです。
学生や主婦やサラリーマンの消費行動を探るより、ズバリ、日本で何食外食が出ているか考えたほうが直接的で、わかりやすいのではないでしょうか。
割り箸の消費総数は、外食の提供数を数えるという問題にすり替わりました。
(ここでは、割り箸の自己消費は、数が少ないと見て、スコープ外とします)
日本の外食数というのは、どう見積もればいいでしょうか。
まずは、すごくざっくり見積もってみます。
日本の外食産業の市場規模は、30兆円というのがよく出てくる数字のように記憶しています。(調べたら、実際には昨年度で25兆269億円でした。ここでは25兆円の数字をつかいましょう)
25兆円は、外食全体の数字です。レストランも、居酒屋も、弁当も、コンビニも入っているとしましょう。
外食の平均単価っていくらでしょうか?
超高級料亭なら数万円、コンビニ弁当や吉野家なら300円程度ですか。
ここは、ものすごくざっくり考えます。
平均単価が、高くても1200円は超えないでしょうし、安くても300円くらいでしょうか。約四倍の開きがあります。
MAXケース、ミニマムケースで見積もります。
MAXケース
25兆円÷平均1200円=208億本
ミニマムケース
25兆円÷平均300円=833億本
だいたい208〜833億本のようです。
仮に一本0.5円として、割り箸市場は、104〜417億円の市場規模ということになります。間を取って250億円。割り箸だけ作っていて250億円というのは、多いのか少ないのかは微妙なところがありますが、結構妥当な数字なのではないかと思います。
というのも、かりに市場規模が1000億あったとしたら、それは結構大きな市場ですから「割り箸は1000億円」というようにけっこうみんな知っている数字になっているのではないでしょうか。そうでないということは、やっぱり注目するほど市場規模が大きくないということです。一方、50億、100億の市場は沢山ありますから、そういうレベルと考えても妥当そうです。
以上で、極めて簡単ですが、これだけでもまずは、市場の概要をつかむたたき台としては、クイックヒットになります。
あと、この推計方式のよいところは恐ろしく単純であるというところですね。この議論の核心は、外食の平均単価がいくらか?という点にあり、これはたいへん議論しやすい数字です。ミニマム単価が300円というのは、ざっくり置いただけなので、人によっては、いや200円だ、500円だという人もいるかもしれません。でもそういう場合も簡単に計算し直せます。報告受けた人も、自分なりの考えで再計算や、検算をして、感覚値をつかむことができます。これは議論の納得性を生む上で非常に大きなポイントになります。その上で、次にのべるようなセグメンテーションをつかってさらに精査すべきなのか、判断材料を提供することができています。
さて、今後この数字を精査していくとなると、どのような方向性になるでしょうか。
ちなみに、外食産業の市場規模統計をみたら、食堂、レストラン、うどん・蕎麦店、すし、喫茶店、ビヤホールなど非常に細かい業態毎に市場統計が出ていました。それぞれの客単価も容易に見積もれそうです。これらを細かく計算して、足し算していけば、かなりの精度で、総外食数が見積もれそうです。
外食産業規模ということを基礎にしていますから、抜け、漏れも最小限に抑えられそうです。
(外食産業市場規模統計)
http://homepage3.nifty.com/bentoukyoukai/sijou.htm
このページに見事なロジックツリーみたいなのがあります。
※注意※
○マクロと積み上げについて
重要!!
この記事は、「筋のいい見積もりロジック」を考えて欲しいという意図で書いてあります。
こんな質問をうけました
「積み上げ方式はダメで、マクロな視点でとらえるべきなんですね!」
ちがいます!!!!!!!!!
どちらの方式がよいかは、どちらのロジックが筋がいいか、ということで考えるべきで、単にマクロ方式がいいと思い込んでしまうのは危険です。
むしろ、可能な限り積み上げ方式をするのが原則です。
マクロ方式は、積み上げ方式の数字を確認するために(桁がずれてないか)ということを最後にざっと確認するためにつかうにとどめてください。
また、この議論のように最初にマクロであたりをつけるのはOKですが、必ず積み上げの議論もやってください。
実務ではマクロな概算だけをまずすることもありますが、面接の受け答えではもっと深いものを要求していますので、マクロだけで、それで終わりというのは面接の受け答えとしてはNGです。
○発想の転換の本質
この記事をなんとなく読むと、積み上げからマクロへの転換がエポックメイキングな発想であると読み取ってしまうかもしれません。しかし、私がいいたい本質は違うところにあります。
「割り箸消費量=人々の外食機会」ではなく、「割り箸消費量=外食の提供数」と捉えることで、より筋のよいロジックが組めるようになるという点が「発想の転換」のポイントなのです。
結局は、洋食・日本食・給食などのセグメントごとに外食提供数を積み上げることが必要ですので、これも、積み上げアプローチといえます。
年齢、職業というセグメントよりも、洋食、日本食というセグメントのほうが、セグメントごとに違いが明確であるし、区別する意味もあります。また、提供数や単価などについても妥当な結論を導けそうで、それを積み上げたほうが、筋がいいのです。
また、外食産業の構造変化や環境配慮などの要因によって、割り箸消費量に変化が起こるとすれば、まずどの外食セグメントがどう影響を受けそうかといった、議論のベースにも使えそうです。そういうのが、筋のいいロジックです。
(要するに、どうセグメントを切るのが適切かという話です)
年齢・職業のセグメンテーション → 給食・洋食・和食のセグメンテーション
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